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支配する者。

  • CATEGORY戯れ言
  • PUBLISHED ON2009/ 10/ 20/ 23:09
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久しぶりに、テンプレートの画像を変えてみました。
秋バージョンということで…。

トップやメニューページも変えたいんですが、なかなかそこまで手が回りません。別に、そんなに忙しいわけじゃないんです。時間の使い方が下手なだけなんですよね、きっと。

昨日、萩尾望都さんのことを書いていて、夜、ベッドの中でふと思ったこと。彼女の最近の代表作でもある『残酷な神が支配する』と、アガサ・クリスティーの『春にして君を離れ』って、もしかして同じテーマ?

両方とも、母親による子供への支配について描かれています。『春にして…』の方は、夫も含めてですが。

でも、『残酷な神…』の方が、母親の息子への支配なだけに、タイトルどおり残酷度が高い気がします。息子は母親を裏切れないですもんね。

弱さを武器に(無意識のうちに)息子を支配する母親…、そんな母親を守ろうとする息子。けっこうホラーです。父親と娘だと、そこまでホラーにならないような気がしますね。母親と娘は、別の意味でホラーになりそうですが(苦笑)。

アガサ・クリスティーの方は、母親が主人公で、自分を家族思いのいい母親だと信じていたのに、あることをきっかけに、家族を支配していただけだと気づいてしまうというストーリー。ミステリーではありません。

まだ結婚前に読んだのですが、自分に似た部分を感じて衝撃を受けました。ラストがちょっとやりきれなくて、でもそんなものかもしれないと無理矢理納得した覚えがあります。

『残酷な…』は、親から虐待を受けた少年の、魂の崩壊と再生の物語です。かなりヘヴィな話なのに、さすが萩尾望都さん、ぐいぐい引き込まれていきます。ただ読み終わった後、あまりの重さにしばらく立ち直れませんでした(苦笑)。

こういう本を読むと、家族ってなんだろう…と考えさせられます。子供にとっては、自分を守ってくれるものなのか、自分を壊すものなのか…。文学の上でも、人生でも、永遠のテーマかもしれませんね。


春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
(2004/04/16)
アガサ・クリスティー

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