打ち解けられない女
私が自分で“ひとみしり”と公言しながらも、
どうしてサービス業などという人間相手の仕事をしているかというと、
ひとつは、それしか仕事がなかったということがあります。
なんて書くとミもフタもありませんが、私の住むあたりでは通勤に車が必需品で、
私のように車の免許を持っていないとかなり職場が限定されます。
徒歩か自転車で通勤できる場所、働く時間は昼間に限定、週3日~4日程度
しかも30代後半(当時)の私が応募できる仕事は、サービス業ばかりだったのです。
まあ、スーパーやコンビニ、そしてファミレス…そんな感じでしょうか?
販売員の口もありましたが、
学生時代にデパートでアクセサリーや婦人服の販売のバイトをした経験から
自分には“人にモノを勧める仕事”はストレスが溜まると実感したので、諦めました。
そういうわけで、恐る恐るファミレスのウエイトレスになったのですが、
しばらくやるうちに、意外と自分に合った仕事かな…と思うようになりました。
お店にやってくるお客様は、「食事」というシンプルで明確な目的があるので、
お客様に気持ちよくお食事して頂く…というただ一点の為だけに、
様々なサービスをすればいいのですから。
後は、内部の仕事、お金を合わせるとか、発注や補充をするというような地味な仕事なので
まあ、頭を使う部分もありますが、どちらかと言えば身体と気を遣うタイプの仕事でしょう。
知識より知恵が大切な仕事ともいえますし、案外主婦には向いているかもしれません。
なので、私もはじめに思ったよりもずっと長く今の仕事を続ける事になりましたが
時々「ああこの仕事に向いていないなあ」と思うこともあります。
それは、お客様に打ち解けられない…ということ(笑)
お客様に丁寧な応対をすることは割と得意なのですが、
お客様と個人的な会話をすることがとても苦手なのです。
特に、個人的なことを訊かれたりするのがとても苦手。
「珍しい名前だね。どこの出身?」とか「子供いるの?」とか…。
そういうときにも、「はあ、東京でございます」とか、妙に畏まって答えてしまいます(笑)
スタッフの中にはそういう会話がとても上手で、
お客様とも友だちのように親しく話せる人がいるのですが、本当に羨ましく思います。
私はどうも昔から人と打ち解けるのに時間がかかるタイプらしく、
職場でも人から愛称で呼ばれることがありません。
ずっと苗字で呼ばれています。
私の職場にも、山崎ならヤマちゃん、中山ならナカちゃんという風に呼ばれる人も多いのですが
私は親しくなった今でも「山崎さん」「中山さん」と呼んでいます。
親しくなるまでに苗字で呼ぶことに馴染んでしまうので、
今さら変えられない…という感じでしょうか(笑)
そんなわけで、人からも「暁生さん(いえ、本当は本名ですが・笑)」と呼ばれています。
先日も職場の友人と話していたら「暁生さんはお堅そうに見えるからね~」と言われました。
(誰ですか?今PCの前でのけ反った人…)
PTAの役員決めでも、私はたいてい会計に推されます。
そう言えば、学生時代のサークル活動でも会計だったっけ。
どうも、人からは几帳面で真面目そうに見えるらしいのです。
もちろん、趣味の分野での友だちが聞いたら、爆笑ものだとは思いますが
(あと、身内とね…)
社会人としては、そんな風に世の中を生きている私です。
ただ、もう少し上手く人と打ち解けられればいいのになあと思うことは
趣味の分野でも感じるところですが…。
一見とても話しやすそうに見えるらしいのですが、自分では結構努力しているんですよね。
どうも趣味の世界では、相手に心を開くペース(変な表現ですが)が、
とても早いように思います。
「同じものが好き」という親近感があるからでしょうけれど、
それがあまりに早すぎると、私など付いていけないことも…。
宝塚だと「○○さんのファン=お友だち」というように。
ネットをはじめて、私もお付き合いの範囲が驚くほど広がりました。
最初は、その拡大ペースに何とか付いていこうと、
自分でもすごく頑張っていたのですが、
最近は自分なりのペースでやろうと考えを改めました。
やっぱり根本的な人見知り体質はなかなか変わりませんし。
なんていうことを書くと、
「ねー、暁生さん、私のこと友達と思ってます~?」と
言われたりするのですが…(笑)
本当に親しくなると、ずーーっと長くお付き合いするタイプなんですが…。
「友だち」と呼べる相手は少ないけれど、そういう関係になった人のことは
とても大切にします。
もしかしたら、単に心理的なキャパシティが狭くて、
人間関係を広げられないだけかもしれませんが…(笑)
知人・仲間という範囲から、友だちという段階に踏み込むのは、
私にとってはなかなか勇気がいるし、難しいことなのです。
実生活でも、この人と仲良くなりたいなあと思う相手が、職場を変えたり引越してしまったりして、
もう少し打ち解けるのが上手だったら、友だちになれたかもしれないのになあと
残念に思うこともありますが、人間同士のことですから仕方ないですね。
そんなわけで、今日もお客様に色々話し掛けられながらも
ぎこちなく笑っているだけの私なのでした(苦笑)
2004/02/10 (TUE)
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