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宙組東京公演・その2「ザ・クラシック~I LOVE CHOPAN ~」

  • CATEGORY宝塚歌劇
  • PUBLISHED ON2007/ 01/ 17/ 23:40
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続いて、ショーの感想。今度は、サクっと行きます(たぶん)。

ショーは、普通に良かった…と思う。
佳作だ…とも思う。
歯切れが悪いのは、まだ「タランテラ!」の毒に感覚が痺れたままだから。
あの素晴らしかったオギー的サヨナラ作品に、心が踊らされたままだから。

別に、BFクサノのせいじゃない…と思う。
たとえ、フィナーレの大階段ダンスのイントロが「水戸黄門」の主題歌に聞こえようとも、
銀橋を渡るおじいちゃん&おばあちゃんを観て、
「NON,NON,NON」(1974?)の頃から作風変わらねえなと思っても(笑)。

とにかくこのショーは、超絶美形なかしちゃんをたっぷり堪能できる。
今の宝塚で、彼女ほど「貴公子」という言葉がぴったり嵌る男役はいないであろう。
「王子様」ではなく「貴公子」。
王子様が生まれも育ちもよいおっとりしたおぼっちゃまというイメージなら
貴公子は、プラス、ナイト(騎士ね)的な凛々しさ&気品が必要。
そう、レゴラス(by ロード・オブ・ザ・リング)っていう感じ。

気品があって凛々しく美しい男、
しかも、それに孤独の翳りを身に纏い、その視線は遥か遠い彼方を見つめている。
それがかしちゃん。

で、そんな素敵なかしちゃんが、王様の扮装で堂々と登場したり(皇帝陛下も似合いそう)
ありえないほどの軍服祭り。おいしすぎ。
かしちゃんの高貴な雰囲気に軍服が似合うんだな、これが。
この辺りは、さすがベテランBFクサノ(いちいちBFつけるな)。

るいーずとのラブラブっぷりが、また可愛くていい感じ。
身体全体で「かしげさん、愛してますぅ♪」をあらわす子犬のようなるいちゃん。
(いや、決してワンコ顔と言ってるわけじゃ…)
愛しそうに優しい瞳でるいーずを見つめるかしちゃん。
るいーず、うらやましすぎ!!

というわけで、かしちゃんの美貌と、かしるいコンビを堪能したショーだった。

いや、他の皆様も良かったけれど、どうしても私の視線はかしちゃんに集中してしまって、
なかなか全体が見られなかったのが率直なところ。

そんな中で、心惹かれたのが、とむくん。
ショーでもめっぽう光っていて格好いい。
硬質な輝きを持ったスターさんだと思う。
時々視線に空気を切り裂くような鋭さを感じる。

お芝居のときと歌うときの声のギャップがもう少し埋まるといいな。
歌うと意外と高くて細い声に感じるので。

若手と呼ばれていた男役さんが、こうしてどんどん大きくなっていくのを観るのが
宝塚を見続ける楽しみでもある。

今回は退団公演ということもあって、それなりのサヨナラの演出もある。
が、どうもそれがねーー。

「あなたの意思を受け継いでいきます」(だっけ?)
「この曲を聴いたら私のことを思い出してください」(だっけ?)
こういうベタすぎる説明台詞は不要だと思うのだが、どうなんだろう。

初めて宝塚を観劇する人には、退団公演なんて関係ないだろうし、
ファンであれば、説明なんかしてもらわなくたって十分承知している。
わざわざ口にすると、かえって「サヨナラ」を安っぽく感じてしまう。
言葉で説明しつくせないものを想像するから、そこに感動が生まれると思うのに。

その点、オギーは上手かったと思ってしまう。
コムちゃんに、舞台で踊り狂う雪組っ子を銀橋から見つめさせたり、
大階段を上っていくコムちゃん、下りてくるミズシェン、上手にはけていく壮ちゃん、
それを歌いながら見送る桂ちゃんと、この動きで選手交代を表していた。
歌詞も良かったな。
「メメント・モリ」と「虹色の空」の歌詞を読み比べて、ちょい落ち込みなり。

まあこれも「タランテラ!」の後が「ザ・クラシック」だったから
多少の不満が残るわけで、逆だったら普通に感動していたと思う。
星組のショーは、サヨナラ作品だったけれど、(タランテラ!観る前だったので)全然OKだったし。
それだけオギーの才能が突出しているということかも。

ただ、どうしても感じてしまうのが、出演者の寄せ集め感。
組替えメンバーが多いので、貴城(雪)、蘭寿(花)、北翔(月)のイメージが強く、
「え、どこの組の公演?」と思ってしまった。
「炎にくちづけを」「ネバーセイ」を未見の私にとっては、るいーずも月組の印象。

これが普通のお披露目公演だったら
「これが新生宙組です。これからこのメンバーで頑張りますのでよろしく!」
という感じで、この作品もそれなりに楽しいのだが、
サヨナラというのが、本当に辛い。

特に、前月の公演での雪組一丸となった本当の意味の「サヨナラ」が
まだ身体のどこかに残っている私にとっては…。
本当は、かしちゃんだってあの中にいるはずだったのに、
いや、ミズシェントップに不満があるわけじゃないけれど、
あまりに過酷なかしちゃんの運命が悲しくて。

もちろん、宙組っ子たちが、かしちゃんを愛し盛り立ててくれているのはよく分かる。
かしるいコンビが、ありえないほど熱々なのもうれしい。

でも、やはり組子としてのトップとしての歴史が全然ない組でのサヨナラは
ちょっとないんじゃないかと思ってしまう。
かしちゃんが素敵で優しくて、みんなに愛されているのが分かるだけに
余計にそう思ってしまうのだ。

トップスターのサヨナラ公演は、当事者とそのファンだけのものではない。
そのトップの下で一緒に作品を創り続けてきた組子たち、
そして、それをずっと見守ってきたそのファンたちにとっても
その数年間の自分の軌跡を振り返り、
取り戻せないかけがえのない時間に思いを馳せる、特別な公演なのだ。

わたるくんやコムちゃんの退団公演で泣いたのは、
二人のファンだけではなく、彼らと共に歩んだスターとそのファン、
ひいてはその組のファンである。

今回の退団公演で、宙組のスターのファンには、かしちゃんへの思い入れはそうないだろう。
当たり前だ。
それが雪組公演と宙組公演の客席の温度差にもなっているようで、ちょっと寂しい。
私がかしちゃんを愛していれば愛しているだけ…。


最後は雪組と雪組の貴城けいをずっと愛してきたファンのたわごとを。

宙組のみなさん、かしちゃんを愛してくれてありがとう。
どうぞ千秋楽まで、かしちゃんを頼みます。
かしちゃん、トップ就任おめでとう。
るいーずという可愛いお嫁さんが来てくれてよかったね。
(でも、雪組のことも忘れないで…)

最後までその美貌と愛すべきキャラクターで、ファンを惑わせてください。
かしちゃん、最高!!!

結局、長く痛い語りになってしまったな…(すみません)。

2007/01/17 (WED)

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