fc2ブログ

Welcome

Atelier Iceberg Weblog

ARTICLE PAGE

星組東京公演「ネオ・ダンディズム!-男の美学-」

  • CATEGORY宝塚歌劇
  • PUBLISHED ON2006/ 11/ 05/ 23:30
  • COMMENT0


岡田敬二・ロマンチックレビューシリーズ第17作。

うーーん、いい。いいぞ~。
好きだな、こういうレビュー。

ただひとつ、主題歌の歌詞が…。。。

「ダンディ~、それは男の中の男」とか
「男の香りと男のエレガンス」とか
「滅びの美学」とか
「華やかなポエム」とか
「氷の炎」とか
「甘さと渋さ」とかとか……

確かにそうなのだろうと思うけど、
なんか、歌にされちゃうと聞いていてめっちゃハズカシーぞ!(苦笑)
歌う方は恥ずかしくないのかな。

でもまあ、いいんです、楽しかったし。

幕開きからどーんと大階段登場。
こういう演出は好きだ。
通常大階段はフィナーレ近くなってからしか登場しないので、お得感倍増。
オープニングのチャイナスタイルでのダンスも、インパクトがあって良い。

この作品は、真矢みきさんお披露目公演「ダンディズム!」のリメイクだそうだが
旧作の焼き直し場面は「キャリオカ」だけのようだ。

全体的にオーソドックスな構成なので、安心して観ていられる。
間延びしたり飽きたりということもなく、どの場面も楽しい。

バラの乙女に囲まれてカサノヴァ風のわたるくんが歌う場面も、
ガウチョスタイルのわたるくんがタンゴを踊る場面も、宝塚ならでは。

中詰にあたるキャリオカの場面は華やかのひとこと。
黒燕尾の男役とシンプルなドレスの娘役が、次々に繰り出してきて歌い踊る贅沢。
宝塚を初めて観る人は、こういう場面はとてもうれしいのではないだろうか。

後半は、いよいよサヨナラモード全開。

まずは、謝先生振り付けの「惜別-オマージュ-」という場面。
今回、私のいちばんのお気に入り場面である。
謝先生の振り付けも素敵だが、照明も音楽も衣装も美しい。
わたるくんをはじめ、ダンサーたちがみんな素晴らしい。

宝塚でこういうちょっと現代的な場面をやると、
かえって古臭かったり、ベタになってしまったりするものだが、
この場面はそういう気恥ずかしさを感じることなく、美しくて素敵だった。
何度もリピートしたい場面である。

そのあと、ロケットがあり(うめちゃんカワイイ)、
いよいよとうこちゃんの独壇場「All by myself」。
この歌はエリック・カルメンの大ヒット曲で、最近ではIL DIVOもカヴァーしている。

宝塚らしくすべて日本語だったが、わざとらしさはなかった。
とうこちゃんの歌は本当に素晴らしい~。
最近、ますます上手くなったのではないだろうか。
この人がトップになったら、歌歌歌のミュージカルなど観てみたい。

とうこちゃんの感動的なソロで涙目になった後、いよいよわたるくんが大階段に登場。
ボレロアレンジの「All by myself」をわたるくん&男役軍団が踊るという
めっちゃカッコイイ場面。
そして、となみちゃんとのラストデュエットへ…。

もうこのデュエットダンスがまたステキで、
となみちゃんはくるくる回されちゃうし、イヤー堪能しましたわ。

わたるくんは、本当に大きい人だった。
身体もだが(笑)、大人の包容力やおおらかさや温かさがあって、
観ていてとても心地よかった。

星組っ子みんながわたるくんを愛していてるのが、舞台から感じられた。
幸せなトップさんだなと思う。
次期トップが同じ組からの持ち上がり(?)というのも、心地良い。
去りゆきし君がために…、そんな感じのショーだった。

とうこちゃんは、観客の心をコントロールできるんじゃないかというほど
緩急自在な歌唱で、魅力爆発。
いままでトップじゃなかった方が不思議。

で、実質三番手?と思わせたのがちえちゃん。
ダンスシーンでは本当に光っている。
押し出しもいいし、あとは歌唱力をつけて欲しい。

となみちゃんは、どこにいてもあでやかで美しい。
華のある人である。
こういうオーソドックスな美しさを備えた娘役がもっと増えて欲しい。

あと、今回目を惹いたのが、宙組から組替えできた和涼華くん。
端整な美しさは、ちょっと壮くんを思わせた。今後に期待。

岡田先生のショーは、ちょっと垢抜けないけれども
オーソドックスな宝塚の良さが溢れているので好きだ。

フィナーレの衣装も、岡田先生のお好きな赤。
色とりどりの満艦飾ということも多いけれども、今回はシンプルで良かった。


それにしても、サヨナラ公演は独特の雰囲気がある。
こればかりは何度経験しても、慣れないものだ。
今回も、お芝居やショーのそこここで、涙腺が緩んでしまい困った。

去ってゆく者あり、残る者あり、
それでも毎日何事もなかったように、幕が開き、幕が降りる。
つくづく宝塚って不思議なところだと感じる。

星組公演も、もうすぐ千秋楽。
わたるくんをはじめとする退団者の方々は、もう二度と宝塚の舞台に立つことはない。
素晴らしい夢を見せてくれた彼女らに、大いなる拍手を送りたいと思う。


2006/11/05 (SUN)


関連記事

0 Comments

Leave a comment