星組「1914 愛/タカラヅカ絢爛」雑感(東京宝塚劇場)
千秋楽直前の星組を観てきた。
1回しか観劇できなかった星組公演だが、一応感想を…。
まず、お芝居「1914 愛」というタイトルと、演出・谷正純と聞いた瞬間、
いやーーな予感がしたファンは多いと思う(笑)
(アンチ谷の宝塚ファンだとは思うけれど…苦笑)
「また皆殺し?」「またラストが意味不明?」「また偉そう?」とか…(笑)
ところが、観てみたら、ぜーーんぜんちがう話だった。
タイトルと芝居の内容、全然合ってないぞ…(笑)
まず、舞台がパリ…ということで、プロローグはレビュー風。
ちょっと娘役の衣装がパッサージュを思い出させていい感じ。
でも、これってお芝居と何の関係が…?
まあ、綺麗で楽しかったから良しとしよう(笑)
主役のアリスティドのキャラが、観た日に掲示板にも書いたけれど、
「俺は美学にはこだわる方でね」としつこく言っていた
「スピーク・イージー」のマクフィスに見えて仕方なかった(笑)
でも、よくよく考えたら「バッカス」のジュリアンにも似ているかも…。
さすらいのシャンソニエ、実は元近衛連隊長…ってところが
実は伯爵家の嫡男というアリスティドと同じ(笑)
でも、わたるくんに「俺の歌が聴きたいかあ!?」と言われてもね…(笑)
(ぃぇ、結構です…とも言えないし~~)
オーディションに落ちまくる檀ちゃん(笑)にいたっては、
これで笑いをとる気かと思ってしまった(苦笑)
でも、わたるくんの伯爵の時と、吟遊詩人?の時の落差と
檀ちゃんの、偽貴婦人と普段のときの落差が激しくて、楽しかった。
二人のすれ違いも、なかなか面白かったし…。
わたる君って、ヒーローっぽい役よりも、3枚目風とか、
ちょっと斜に構えたクロードのような役が似合うと思うのだけれど…。
アリスティドみたいな役って、瀬奈じゅんあたりで見たら、もっと軽妙で面白いと思う。
二番手扱いで特出の貴城けいは、ひとり端整で目立つ役。
ラベンダーのスーツが美しくてとても良かったが、
ちょっとマリー・ローランサンとの関係の書き込みが不足で気の毒。
まとぶんは、いかにも酒に溺れた芸術家風で良かったが、
タニちゃんは、ちょっと芸術家というより現代青年風で、どうしても画家に見えなかった。
もうすこし、役作りに検討の余地ありと思った。
しいちゃんが、なかなかいい味を出していたが、
せっかくロシア大公にパトロンになってもらえそうなところで
アリスティドに横槍を入れられるところ、可哀想…。
ちょっとアリスティドのキャラがあまりに偉そうで、少々反感を持ってしまった。
谷先生ってどうしてああいうキャラが好きなんだろう?
まあ、脚本はともかく、出演者のパワーで見せていた芝居…という印象だった。
ショーは……(無言・笑)
悪くないんだけれど、黒塗りのショーというと、どうしても「ノバ」があるので
あれと比べてしまって駄目なんだと思う。
それほど「ノバ・ボサ・ノバ」というショーが傑作なんだろうと思うのだけれども…。
あの「シナーマン」の身震いを思うと、
「タカラヅカ絢爛」は、「まあこんなものか」と思ってしまう。
っていうか、草野先生は、鴨川先生を師匠と仰いでいるから、
自然と似たようなものになってしまうのかな?
私はどちらかというと、普通のレビューの方が好きなので、
どうしても黒塗りのショーには点が辛くなってしまうのかもしれない…。
この公演で一番印象に残ったのは、柚希礼音ちゃんのダンス。
あのカンカン(ユウコちゃんを思い出した・笑)といい、
蛇のダンスといい、すごかった…!
なんだか、まとまらない感想になってしまったが、
まあ、お芝居で大量の死人が出なくてほっとした公演ではあった(おい…)
2004/06/04 (FRI)
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