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東宝ミュージカル「エリザベート」(帝国劇場)山口トート版


東宝版「エリザ」を観に行った。
実際に観たのは3月23日のマチネなので、今さらながらの感想で申し訳ない。

東宝版は2000年の初演の時に一回観ていて、
その時は宝塚版とのギャップの大きさに驚いた。
舞台の幻想的な美しさやトートの魅力を全面に押し出した宝塚版に比べ、
(それでも、宝塚の舞台にしてはけっこうリアルに感じたが…)
東宝版はリアルで、当時宝塚の舞台ばかり観ていた私の目にはギョッとするような
生々しさもあり、エリザベートの娘の小さな棺などは「悪趣味」とさえ感じたものだった。

でも、それがオリジナルの「エリザベート」というミュージカルであり、
それを宝塚風にアレンジした小池先生の手腕に、反対に感心したものだ。

その後、私も宝塚以外のミュージカルを観る事が多くなり、宝塚のほうが異色…というか、
「本当に夢の舞台なんだなあ」とその独自性と魅力を再認識するに至った。
海外に行って、初めて日本の良さを認識する…というアレである(苦笑)
そうは言いつつも、宝塚以外の舞台の魅力も捨てがたく、やはりどちらも大好きな私だ。

さて、そんなわけで2度目の東宝「エリザ」。
前回も実は山口トートで観たし、まだ今回内野さんを観ていないので
なんとも言いようはないが、歌に関してはやはり完璧とも言える素晴らしさ。
やや高めの声の人だが、やはり上手い歌は聞いていて心地良い。
私的には、もっともっと山口さんの歌が聴きた~~い!という気分だった。

しかし、東宝「エリザ」の主役は、やはりエリザベートなのだ。
そこが、ちょっと宝塚と違うところ。
一路さんのエリザは、初演時に比べ、より人間的になっていたような印象だった。
特に今回は「私が踊る時」という、花組版で追加された歌が導入されたことによって
より自立したい女…的側面が強くなったように思う。

さすがに少女時代のシシィはやや無理があるかなと感じたが、
2部以降、特に精神病院を慰問する場面などはとても良かった。
あの場面は、宝塚版でも大好きな私だ。

フランツ・ヨーゼフの石川禅さんも、歌も上手いしなかなかよかったと思うが、
なにしろ私は、鈴木綜馬さんのファンなので、やはり鈴木さんで観たいなあ…と。
っていうか、後半年老いてからのフランツは、今井清隆さんで観てみたい(笑)
彼の声で「夜のボート」を聴いたら、切なくて泣いてしまいそう…。
(さすがに“若き皇帝”は、無理だと思いますが…笑)

パク・トンヒさんのルドルフ。
韓国のミュージカルスターだそうだ。
(まだパンフ買ってないので、経歴の詳細は不明)
なかなかの熱演だったが、ちょっといっぱいいっぱいという感じ。
もう少し練れてくれば、なかなかいい感じになると思う。
やはり前回の井上君がすごく良かっただけに、大変だとは思うが頑張って!
(再演は辛いよね)

ルキーニは…、私は何と言っても轟悠のルキーニの大ファンなだけに、
なかなかコメントは難しいのだが(笑)
薄汚くていやらしくてとても良かったと思う。
あれがきっと本来のルキーニ役で、とどちゃんがカッコよすぎたのよね、きっと(笑)
(パレードなんて、突然出世して勲章までつけてたし…アンタ何者?爆)
でも、もっともっと「歌」が聴きたかったなあ~~。

まあ、主要キャストはこんなものなんですが、特筆すべきは
マックス公爵(エリザパパ)の村井国夫さん!
あの「レミゼ」で素晴らしいジャベールをやった村井さんが、マックス公爵?
と聞いた瞬間に「なんて贅沢な配役」と思ったものだが、
期待に違わず、素晴らしいパパぶり!
ちょっと出番も増えてたし(やっぱり大物だしね…笑)

初風さんのゾフィーも、初演時は久々の舞台ということで、私が観たときは
やや声の出が今ひとつだったのだが、今回はばっちり。
特に、ゾフィーの死の場面の演出が変わっており、新しい歌も加わって
ただの意地悪な姑だけじゃない人間的な一面が垣間見られるようになっていて
とてもよかった。やはりお上手です。

その他、アンサンブルの歌が素晴らしく、群集場面の迫力はやはり凄い。
特に私の大好きな「ミルク」の場面。
一緒に参加したいくらいだった。

トートダンサーズも、前回はビジュアル系ロックバンド風で
ちょっと目立ちすぎな感じだったが、今回は黒子に徹していて、
それがまた舞台に厚みを与えていたような感じで良かったと思う。

掲示板にも書いたが、今回演出の変更点がとても多かったような気がする。
何しろ初演は1回しか観ていないので、自分でも記憶がおぼろげなのだが、
それでも「あれ?」と思う場面が多かった。

一幕のメイン、鏡の間からエリザベートが登場する場面は、前回のほうが良かったな。
あと、最近月組「薔薇の封印」で、踊るリカちゃんのバックに毛沢東を出して
私をがっかりさせた(別に毛沢東氏にはなんの罪もありませんが…苦笑)
例の電光掲示板のようなものが、けっこう多用されていて、あれには辟易した。
頼むからやめてほしい(懇願)
重厚なセットに全然似合わない。かえって舞台がチープに見えた…。

とはいうものの、やはり素晴らしい楽曲の数々や出演者の熱演に、
満足度はかなり高い舞台だった。
一回は見る価値あり!
でも、宝塚「エリザ」を見慣れている目には、かなり毒が強くてリアルなので
初めて観る方はご注意を…(笑)

次回は「内野トート」。
こっちのほうがある意味凄そう(何が…笑)で、実は楽しみ♪

2004/04/05 (MON)
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