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雪組「Romance de Paris」 新人公演

  • CATEGORY宝塚歌劇
  • PUBLISHED ON2003/ 11/ 19/ 23:17
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雪組新人公演に行ってきた。
宝塚を観始めて長い年月が経つけれど、
平日の夜というのやら、チケット難というのもあって、生の新公を見るのは初めて。

宝塚ファンの中には、新公フリークというか
新人発掘を趣味(?)にしているコアなファンもいるらしく、
当日は特に雪組ファンとか、新公出演者のファンではないけれど、
誰かいい子いないかなあ~という感じの観客も結構いるようだった。

私はお目当ての人が出ていないと、どうも公演に乗れない部分があるのだが
そんな私でも、同じお芝居を別のキャストで観るというのは、
なかなか楽しいものだと実感した。
本公演について色々見えてくる面もあったし、
若い人たちのお芝居もじっくり観ることができて、行けてよかったと思う。

ではでは、個別の感想。


ヴァンサン(音月桂)

 歌が、うまい!!
 いやあ、こんなにいい歌だったのか…と改めて思ったりして…(爆)
 台詞も明瞭で聞き取りやすく、本公演を2回観ているけれど、
 昨日初めてヴァンサンが何をしゃべっているのか分かった部分も…(おい)
 コムちゃんの役作りとはまた違っていたけれど、
 きちんとキャラを掴んで彼女なりのヴァンサンに仕上がっていたと思う。

 ただヴァンサンという人物の存在感に関しては、やはりまだまだ若さが出てしまっていた。
 過去には色々あったけれど、今はこうして生きている…みたいな、
 大人の男の人生の影の部分を感じさせるのは、なかなか難しいと思う。
 でも、桂ちゃんは芝居のカンのいい人だから、男役としての経験をつめば
 絶対できるようになると思うし、本当に将来が楽しみだ。

 スーツの着こなしも、まだ若いな~と思ったけれど、
 最後のデートシーンの紫色のスーツが意外なほど良く似合っていて
 (私的にはコムちゃんよりも似合うと思った)←すみません…。
 やっぱり桂ちゃんは宝塚的なスターさんなんだなあと認識を新たにした。
 心配したダンスシーンも思いの外良かったし、ファンとしては大満足だった。


ナディア(白羽ゆり)

 とても美しい王女様だった。見栄えの点からいえば、まーちゃんより王女様っぽいかも。
 特に最初の「クラブ・アラベスク」のシーンでの“気位の高い現役の王女様”ぶりは
 まーちゃんを凌ぐのでは…と感じたほど。
 ただ、時々早口になったりしてちょっと現代っ子になってしまうんだけれど
 品があって華やかでとてもステキな王女様だった。
 桂ちゃんとの並びも美しくて、いつでもトップ娘役OKの感。
 2番手娘役にこういう人がいるって、すごく贅沢だなあと実感した。
 歌も上手だし、本当にこれから楽しみな人だ。


ディディエ(天勢いづる)

 本公演では、今回4番手の壮ちゃんが演じている役をいづるんに振ったということで
 いかにディディエが難役かを表しているような気がする。
 確かにいづるんは台詞も明瞭だし、とても演技派だと思うんだけれど、
 ディディエの野心家ぶりや、いけすかない野郎なんだけれど、
 案外脆くてお坊ちゃんな部分とかが、壮ちゃん上手いんだなあ…と。
 いづるんは、ちょっと腹黒い人になっていたような感じ。
 特に、最後にパトリシアと抱き合う場面がね、今ひとつ盛り上がらなかったし。
 
 いづるんを観ていて、演技派の人が陥りやすい罠…というものを感じてしまった。
 上手いから回りも期待するし、本人も上手くやろうとする。
 でも何か違うぞ~、みたいな…。
 役のキャラを掴むのって、なかなか難しいんだなあとしみじみ思った。
 でも、新公メンバーの中ではいづるん以外には出来ない役だったかも…。
 やはりディディエは難役なのだと実感。


ラシッド(聖れい)

 これもディディエと争う難役。
 ひじりん頑張っていたけれど、何しろ本役が樹里ちゃんだからなあ。
 (樹里ちゃん、上手すぎる…)
 でも、落ち着いてしっかりとした演技だったと思う。
 実直で不器用な軍人ぶりは立派にクリアしていた。
 ただ、歌が~~。。。もうちょっと頑張ってもらいたい。


ムジャヒド(凰稀かなめ)

 いつも美形ぶりばかり見ていたので、初めてじっくりお芝居したのを見た感じ。
 台詞の言い回しなどは、かしげちゃんをそのまま踏襲した感じで
 何回かかしげちゃんに見えてしまった(笑)
 笑いも無事取れてなによりだったけれど、もう一工夫欲しかったかも。
 でも思いの外歌が上手で、将来が楽しみ~~。


ディミトリ(沙央くらま)

 そのままディミトリになれそう(笑)やんちゃで可愛いディミトリだった。
 桂ちゃんが大人の男に見えたわ~~(笑)
 演技も自分なりの工夫が見られ、伸び伸びと演じていたのが好感。
 ただ、ちょっと姿勢の悪さが気になるので、そのあたりを直せばばっちりの
 将来楽しみな男役さんだ。


パトリシア(山科愛)

 シナちゃんがパトリシアというのは、いづるんとの並びを考えてのことなのだろうか?
 うーーん、台詞も落ち着いた感じでよかったし、頑張っていたんだけれど
 いづるんと並ぶとあまりにも小さすぎる夫婦…。
 というか、夫婦に見えない~~(泣)
 壮&となみカップルが、すごくいいからなあ…。
 

他に、目に付いたキャストを…。

ラシッドの部下のハミドの宙輝れいかちゃん、髭が似合いすぎ!
すごいオヤジっぷりでした!迫力満点!
真波そらちゃんのイビラヒムはクールでカッコイイし、かなりツボ。

ヤニックの緒月遠麻くん。
会社の顧問弁護士というよりは、どこぞの組(!)の顧問弁護士という感じ(爆)
迫力満点の押し出しだけど、声が意外と可愛い(笑)
ちょっと、矢吹の兄貴にも似ているような…。
アラベスクでのダンサーぶりもステキだった。

ラファエルの貴船尚くん。やっぱりやってくれた(笑)
私はあの場面、本役の麻愛めぐる君もかなりツボなんだけど、
ナディアと挨拶する場面で手の甲にキス!で、大いに笑いを取っていた。

その他、晴華みどりちゃんが射的係員で笑わせてくれたし、
ハイファの早花まこちゃんは、くらまちゃんといいコンビぶり。
舞咲りんちゃんは美穂圭子ちゃんの歌を、堂々と聞かせてくれた。

全体としてとてもレベルが高く、安心して楽しめる舞台だったと思う。
コーラスも素晴らしく、「芝居の雪組」「歌の雪組」の伝統は健在だなあと嬉しく思った。

桂ちゃんのご挨拶も、はつらつとしなからも堂々と立派だった。
でも、指先をピーーーーンと外側に伸ばして立ち(笑)
「本日はご観劇…」で何回か、言い直したりしたのを見て、本当に緊張していたんだなあと
しみじみと思ってしまった…(可愛い~~♪)

帰る道々聞こえてきたお客様の感想もおおむね好評のようで
とても温かく嬉しい気持ちで帰途についた新人公演だった。
出演者のみなさん、本当にご苦労様!!!!
 

2003/11/19 (WED)

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