星組「王家に捧ぐ歌」その2 (中辛)←カレーじゃないんだから…、笑
1週間ぶりに星組を観劇。
前回気が付かなかった部分にも色々目や耳が行くようになり、
うーーん、ちょっと初見よりテンション落ちたかな?
いえ、星組さんたちはテンション高く演じていたと思う。
コーラスなどは、なかなか美しかったし。
ただ、作品的に見て、題材はいいものの構成に無理を感じる場面が多々あると思った。
で、本日感じたことを…。
オープニングは、やはり好きだ。
あの荘厳な音楽やエチオピア人の亡霊(?)たちの魂の叫びなど、
これからの展開を期待させる作りになっていると思う。
もしかして、この場面が一番好きかも…(そんな…苦笑)
暗いオープニングから、華やかなエジプトの風景への転換もいい。
チャルさんのファラオの歌はやはり安心して聴ける。
ただ、あのお帽子がどうしても頂けない(苦笑)
まるで、魔法使いみたい…。
それから、大国エジプトのファラオにしては、ちょっとニコニコと優しすぎかな…。
自分勝手な正義を他の弱小国に押し付けるエゴイスティックな大国のファラオなのだから
もう少し威厳と貫禄を持って演じて欲しいと思う。
ゆうちゃんさんの家康をちょっと懐かしく思ってしまったわ…。
あと女官たちがアイーダを苛める場面が、すごく下世話な印象だった。
安っぽいドラマみたいな感じで…。
「エリザベート」でも、シシーがゾフィーに苛められる場面があったが
あまりそういう印象は受けなかった。
女官の態度が本当に単なる「弱いもの苛め」だったからかもしれない。
「凱旋場面」「すごつよ」「美人選び」に関しては、もう何も言わない(苦笑)
前回も書いたし…。
全体的に観て、1幕より2幕に入ってからの方が面白かった。
特に「三度の銅鑼」の場面は、なかなか緊迫感があって良かった。
やはりここが一番の見所かもしれない。
ここから、エチオピア、処刑場、地下牢…と怒涛のようにラストシーンに向かって
盛り上がっていく構成は、飽きさせないしとてもよかったと思う。
ただ、せっかく感動のラストなのにフィナーレへの転換の仕方が今ひとつだと思う。
突然ミラーボールが回り、石壁のセットからレモン色の衣装の
男役軍団が登場するわけだけれど、
石壁のセットにミラーボールのライトが当たるのが、いかにも安っぽい印象になってしまうし、
あのセットと男役の衣装との違和感が興ざめとしか言いようがない。
せめてカーテンを下ろすとか、男役の登場はセリ上がりにするとかして欲しかった。
次に、登場人物について。
ラダメスわたるくんは、誠実でまっすぐで男らしい…というのは、とても好感が持てるし、
アイーダを愛している部分に関してはなかなか良いと思うが、あとは「将軍」に見合う貫禄と、
押す一方の演技から抑えるべき部分は抑えるという緩急を出してくれると、
もっと人物に厚みが出ていいと思う。
檀ちゃんアムネリスは、もう少し歌を…(今さらですが、言わせて…苦笑)
綺麗なんだけど…、まあそれだけでいいと言えばいいんだけれど(おい…)
ちょっと台詞まわしが幼い印象があるので、そこを直せばかなり良くなると思う。
アイーダとうこちゃんは、よくやっていると思うけれど、
「女」を演じようとするあまりに、やりすぎな部分があるので、
女々しすぎる部分を減らして、王女としての誇り高さと恋する女性の部分を
上手くだしてくれたらなあと…(求めすぎ?笑)
そして、歌に関してどうしても一言言いたい。
ソロで歌詞が聞き取れない人が何人かいたので、もっと努力して欲しい。
聴かされる方には凄いフラストレーションだ。
一応「歌劇団」なのだし、プロなのだから…。
そして、歌詞にも一言。
アイーダの決め台詞(笑)「戦いは新たな戦いを生むだけ」が
ちょっと多すぎるような気がする。
まあ、これがこの作品のテーマであるということは、木村先生のインタビューでよく分かったが
あまりに何回も聞かされると、押し付けがましくて少々食傷してくるので、
少し数を減らした方が、印象も強くなると思う。
これは舞台の構成全体にも言える事で、「愛と平和」という普遍的なテーマは
ともすれば陳腐になりがちなので(昔のCM「一日一善」みたいに)
実は扱いが難しいものなのだと感じた。
押す一方ばかりでは観るほうも疲れてしまうので、息抜きできる部分を作って欲しい。
あと前に書いたことに少し重複するが、木村先生はプログラムのインタビューで、
アイーダ=オスカルで、アムネリス=アントワネットと言っているけれど、
舞台の印象ではなぜか逆になってしまっていると思う。
アムネリスの方が、なんだか凛々しいもの…(笑)
この辺も演出家の意図が、実際の役作りにはあまり反映されていないのだろうか??
うーーん、なかなか難しいけれど、少々疑問に思った。
全体的に前回よりかなり辛口な感想になってしまったが、
木村先生にはとても期待しているので、
次回の「スサノオ」ではもっともっと素晴らしい舞台を観せて欲しい。
それでも、美しく華やかな舞台は宝塚ならではのもので、大いに楽しめた。
今回はまとぶんの活躍度が少なくてかなり寂しいが、次回は是非…。
フィナーレのダンスが本当に素敵だったわ(ファンモード・笑)
2003/10/09 (THU)
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