fc2ブログ

Welcome

Atelier Iceberg Weblog

ARTICLE PAGE

花組雑感・その6  「谷正純作品って…の巻」

  • CATEGORY宝塚歌劇
  • PUBLISHED ON2003/ 09/ 15/ 21:53
  • COMMENT0

花組「野風の笛/レヴュー誕生」東宝公演も無事千秋楽を迎えた模様だ。
とにかく大盛況な公演で、最近の花組公演はずっとチケット難である。
そんな中で4回も観劇できたのは、かなり運が良かったと思う。
チケットを譲ってくれた友人に感謝…!

さて、今日のお題は「谷作品」だ…。
この時点で、すでに苦笑いした方もいらっしゃるだろう。
そう、あの(強調)「皆殺しの谷」である。

宝塚も何年か見続けていると、演出家の個性というものが分かってくる。
いや、何年も観なくても分かる方もいるかもしれないが。

私が宝塚ファンに復活した時に驚いたのは、
30年前と同じ演出家や作曲家の名前をプログラムや「歌劇」で見つけたことだ。
植田・柴田両巨匠を筆頭に、草野先生や岡田先生、作曲の寺田先生など、
懐かしい名前を見つけて嬉しく思ったものだ。

その中で、谷先生はどうやら若いほうの(笑)先生らしかった。
が、その作品は植田先生の作風に似て、大河ドラマチックなものが多い。

何作か観ているうちに、ある共通点を見つけた。
皆様ご存知の「死人が多い」こと、子守唄が好き、かならず誰かがひっぱたかれる(笑)、
親子が涙の対面をする、虐げられた人々の苦悩…など。

私が知る主な谷作品は、
「エールの残照」「エデンの東」「CAN-CAN」「エルドラード」「アナジ」「春櫻賦」
「スピーク・イージー」「バッカスと呼ばれた男」「望郷は海を越えて」「プラハの春」「野風の笛」などだ。

その他にも、植田先生との共同演出を含めるともっと多くの作品がある。

うーーん、やはり共通点があるなあ。
たとえ原作があったとしても、谷先生の好みというものが出ている気がする。

さて、今回の「野風の笛」を観て思い出すのは「春櫻賦」(1998雪組)だ。
やはり、轟悠主演である。
松平忠輝は、謝名龍山に比べやや明るいキャラだが、
「わが道を行く」という部分は、かなり似ている。
(その“わが道”の行きっぷりが、どうもずれている部分とか…)

しかも、柳生宗矩と秋月数馬なんて、殆ど同じキャラではないか。
銀橋を渡りながら歌う場面や、とどちゃんと対決する場面など「焼き直しか?」という感じ。

傀儡の面々とお喜楽座の面々が、人々から蔑まれながらも明るく生きていく様子なども、とてもよく似ている。
そう言えば、ケロちゃん演じる美濃さんは傀儡師だったっけ。

「野風の笛」は、「春櫻賦」以外にも、「エールの残照」「エルドラード」
「バッカスと呼ばれた男」「望郷は海を越えて」「プラハの春」などとも、共通点を感じる。
谷先生は「強いけれど戦わない」男が、どうやらお好きらしい(笑)

戦う時は、戦わざるを得ない状況になって止むを得なく…という感じだろうか。
案外「俺の美学」(byマクフィス)にこだわるフェミニストなのかもしれない。

それにしても、谷作品のヒーローはイマイチ評判が悪い。
私の知る限りで、ファンが多いのはアナジくらいだろうか?
(しかも、アナジはガンガン戦うし…笑)

私の知り合いのの真琴つばさファンなど、
私が「ゴースト」でお披露目の轟悠を気の毒がっていたら
『マミの「エルドラード」よりましよ。あんなしょうもない役』
と、一言で切って捨てたっけ…(苦笑)

「野風の笛」でも、主役の松平忠輝より、準主役の花井主水正のほうが
ずっとカッコ良く見えてしまうのだが…。
(まさか、それが狙いとか…?汗…)

あともうひとつ気になったこと。
「野風」で、観客の笑いを誘うような場面が幾つかあったのだが、
初見のとき、なぜそれが面白いのか分からない場面があった。

りんどうの「私は殿のお友達でございます」というくだりである。
あそこでのりんどうの台詞って、どういう意味があるんだろう?
初めて観た時には、なぜ回りが笑うのかまったく分からなかったし。

主に笑うのは、りんどうの行動に対する忠輝のリアクションなのだが、
いつもあの場面になると、「取ってつけた」ような感が否めなかった。
(それとも、私だけかな…?)

私も、2回目に観た時にはそこが笑いを取る場面なのだと分かったのだが、それでもあまり笑えなかった。

宝塚はリピーターが多い劇団ではあるが、1回きりの観劇のお客様も多いと思うので、
何回も観ないと笑えないような場面は、できれば作らないで欲しい。
本当に面白ければ、たとえ初見であっても笑えると思うので。

そして谷先生には、もっと観客(主に女性)がぐっと来るような
素敵なヒーローを描いてもらいたい。
登場人物が死ぬのもいいけれど、意味のない死にかたは白けるだけなので
もっとよく考えて欲しい。
でないといつまでも「皆殺しの谷」のままだと思うし。

(でも、マクフィス&ジュリアンは、かなり好き♪笑)

それでも「野風の笛」は、まあまあの作品だったと思う。
出演者の皆様は、もちろん素晴らしかったけれどね。

花組の皆様&轟さん&専科さん、お疲れ様でした~!

2003/09/15 (MON)

関連記事

0 Comments

Leave a comment