『通し狂言 東海道四谷怪談』
- CATEGORYミュージカル・歌舞伎など
- PUBLISHED ON2013/ 07/ 26/ 22:56
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昨日の歌舞伎話の続きです。
まずは演目のご紹介。

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『通し狂言 東海道四谷怪談』
序 幕 浅草観音額堂の場
宅悦地獄宿の場
浅草暗道地蔵の場
浅草観音裏田圃の場
二幕目 雑司ヶ谷四谷町伊右衛門浪宅の場
伊藤喜兵衛内の場
元の伊右衛門浪宅の場
三幕目 本所砂村隠亡堀の場
大 詰 滝野川蛍狩の場
本所蛇山庵室の場
お岩/佐藤与茂七/小仏小平:尾上菊之助
直助権兵衛:尾上松緑
奥田庄三郎: 坂東亀三郎
お袖:中村梅枝
お梅:尾上右近
四谷左門:松本錦吾
按摩宅悦:片岡市蔵
後家お弓:市村萬次郎
伊藤喜兵衛:市川團蔵
民谷伊右衛門:市川染五郎
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あらすじ(歌舞伎座サイトより)
塩冶浪人の伊右衛門は、
妻のお岩を連れ戻された恨みから舅の四谷左門を殺害します。
一方、中間の直助はお岩の妹お袖に横恋慕し
許嫁の佐藤与茂七を殺します。
二人は姉妹を騙して、敵討ちを約束します。(序幕)
やがて伊右衛門の子を産んだお岩は産後の病に苦しみ、
隣家の伊藤喜兵衛から届けられた薬を飲みますが、
顔を押さえて苦しみだします。
実は、お岩の顔を毒薬で醜くして伊右衛門と離縁させ、
孫娘のお梅と添わせる企みでした。
真実を知ったお岩は伊藤家に向かう身支度をするうちに
絶命してしまいます。
そこで伊右衛門は、情死に見せかけるため、
お岩の死骸と小者の小平の亡骸を同じ戸板に打ち付けます。
やがて、お梅が嫁いできますが、お岩の怨念に惑わされ、
伊右衛門は喜兵衛とお梅を殺してしまいます。(二幕目)
隠亡堀に戸板が流れつき、お岩と小平の亡霊が伊右衛門を悩ませます。
そこに、生きていた与茂七と直助が現れます。(三幕目)
伊右衛門は七夕の夜に女との逢瀬を楽しむ夢を見ますが、
その女はお岩の亡霊でした。
夢から覚めた伊右衛門は尚もお岩の怨霊に悩まされ、
改めて執念深い怨みを思い知らされます。
そこへ与茂七が駆けつけ…。(大詰)
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若手をベテランが支える、宝塚で言えば、
2番手が主演するドラマシティ公演のような感じ?(笑)
お岩の妹・お袖を演じる梅枝くん、きれいだなーと思ったら
時蔵さんの息子さんだったのですね♪
私は、まだ歌舞伎を観始めたばかりのビギナーなので、
知識のほとんどは、入門本によるものなのですが、
四世鶴屋南北作『東海道四谷怪談』は、
世話物の名作と呼ばれています。
でも、劇場で求めたプログラム(筋書と言います<渋い!)の
上演記録を見ると
最後に上演したのは、平成22年の新橋演舞場となっていました。
お岩:勘太郎(今は勘九郎さんですね)、伊右衛門:海老蔵とあるので
やはり花形歌舞伎でしょうね。
歌舞伎座で上演するのは、平成16年8月以来なので、
9年ぶりになります。
前回は、お岩:勘九郎(亡くなられた勘三郎さん)、
伊右衛門:橋之助 となっていました。
名作であっても、そう毎年上演する演目でもないようなので
観ることが出来て良かったと思います。
しかも、若き日のお岩と伊右衛門の美しく舞う「蛍狩」という
幻想的な場面があるのですが、
この場面を上演するのは、30年ぶりだそう。
『東海道四谷怪談』は、底辺の人々を描いたお話なので、
暗くて色味の少ない場面が多いのですが、
「蛍狩」の場面は、お衣装も美しく華やかでした。
歌舞伎ならではのお目見得的な「だんまり」も初めて。
こういう場面、すごく好きです。
そして、このお話、実は「裏忠臣蔵」なんですねー。
民谷伊右衛門は、元は塩冶家に仕えていた武士。
と言っても、藩の金子を横領したりして
主君の仇討をする気はまったくない悪党です。
伊右衛門の妻のお岩の父・四谷左門も塩冶武士だったのですが、
主君の塩冶判官が殿中で高師直に斬り付けたことにより
塩冶家は断絶。浪人となっています。
そして、伊右衛門に恋するお梅の父親・伊藤喜兵衛は、
敵でもある高師直の家臣です。
伊右衛門は、主君を裏切り、舅を殺し、
妻をも裏切るという、究極の自己中男です。
もちろん、お梅と祝言をあげ、
喜兵衛の口添えで出世の道を…のはずが
最終的には、お岩の恨みにより、
何もかもなくしてしまうのですが。
でも、お岩の亡霊に悩まされ、病鉢巻のうらぶれた姿は
少し可哀想な感じも。
その辺が、色悪…という所以なのでしょうか。
この作品、江戸時代の興行では、
『仮名手本忠臣蔵』と合わせて、
二日がかりで上演していたそうです。
赤穂浪士の表と裏、興味深いです。
↓今回のお席。
何と、初!桟敷席!!でございます。贅沢~!!

2席ずつ扉が分かれ、入口が玄関のようになっており
靴を脱いで桟敷に上がります。
お茶のサービスも。湯呑が定式幕の柄だわー♪
普通の客席より少し高くなっているので
舞台も花道も、とても観やすかったです。

客席はこんな感じ。
提灯が、歌舞伎座らしいですね。

いつもは母と行くのですが、今回は夫のタダヲと。
桟敷席はテーブルもあり、お食事もゆっくりできるので
人ごみが嫌いなタダヲも、終始ご機嫌でした(笑)。
あ、ちなみに、桟敷席は「桟敷弁当」というのがあって、
予約すると、幕間に席まで届けてくれるんですよ。
めっちゃセレブな気分に浸れます(笑)。
一度くらいは、こんな贅沢もいいものですね。
まずは演目のご紹介。

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『通し狂言 東海道四谷怪談』
序 幕 浅草観音額堂の場
宅悦地獄宿の場
浅草暗道地蔵の場
浅草観音裏田圃の場
二幕目 雑司ヶ谷四谷町伊右衛門浪宅の場
伊藤喜兵衛内の場
元の伊右衛門浪宅の場
三幕目 本所砂村隠亡堀の場
大 詰 滝野川蛍狩の場
本所蛇山庵室の場
お岩/佐藤与茂七/小仏小平:尾上菊之助
直助権兵衛:尾上松緑
奥田庄三郎: 坂東亀三郎
お袖:中村梅枝
お梅:尾上右近
四谷左門:松本錦吾
按摩宅悦:片岡市蔵
後家お弓:市村萬次郎
伊藤喜兵衛:市川團蔵
民谷伊右衛門:市川染五郎
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あらすじ(歌舞伎座サイトより)
塩冶浪人の伊右衛門は、
妻のお岩を連れ戻された恨みから舅の四谷左門を殺害します。
一方、中間の直助はお岩の妹お袖に横恋慕し
許嫁の佐藤与茂七を殺します。
二人は姉妹を騙して、敵討ちを約束します。(序幕)
やがて伊右衛門の子を産んだお岩は産後の病に苦しみ、
隣家の伊藤喜兵衛から届けられた薬を飲みますが、
顔を押さえて苦しみだします。
実は、お岩の顔を毒薬で醜くして伊右衛門と離縁させ、
孫娘のお梅と添わせる企みでした。
真実を知ったお岩は伊藤家に向かう身支度をするうちに
絶命してしまいます。
そこで伊右衛門は、情死に見せかけるため、
お岩の死骸と小者の小平の亡骸を同じ戸板に打ち付けます。
やがて、お梅が嫁いできますが、お岩の怨念に惑わされ、
伊右衛門は喜兵衛とお梅を殺してしまいます。(二幕目)
隠亡堀に戸板が流れつき、お岩と小平の亡霊が伊右衛門を悩ませます。
そこに、生きていた与茂七と直助が現れます。(三幕目)
伊右衛門は七夕の夜に女との逢瀬を楽しむ夢を見ますが、
その女はお岩の亡霊でした。
夢から覚めた伊右衛門は尚もお岩の怨霊に悩まされ、
改めて執念深い怨みを思い知らされます。
そこへ与茂七が駆けつけ…。(大詰)
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若手をベテランが支える、宝塚で言えば、
2番手が主演するドラマシティ公演のような感じ?(笑)
お岩の妹・お袖を演じる梅枝くん、きれいだなーと思ったら
時蔵さんの息子さんだったのですね♪
私は、まだ歌舞伎を観始めたばかりのビギナーなので、
知識のほとんどは、入門本によるものなのですが、
四世鶴屋南北作『東海道四谷怪談』は、
世話物の名作と呼ばれています。
でも、劇場で求めたプログラム(筋書と言います<渋い!)の
上演記録を見ると
最後に上演したのは、平成22年の新橋演舞場となっていました。
お岩:勘太郎(今は勘九郎さんですね)、伊右衛門:海老蔵とあるので
やはり花形歌舞伎でしょうね。
歌舞伎座で上演するのは、平成16年8月以来なので、
9年ぶりになります。
前回は、お岩:勘九郎(亡くなられた勘三郎さん)、
伊右衛門:橋之助 となっていました。
名作であっても、そう毎年上演する演目でもないようなので
観ることが出来て良かったと思います。
しかも、若き日のお岩と伊右衛門の美しく舞う「蛍狩」という
幻想的な場面があるのですが、
この場面を上演するのは、30年ぶりだそう。
『東海道四谷怪談』は、底辺の人々を描いたお話なので、
暗くて色味の少ない場面が多いのですが、
「蛍狩」の場面は、お衣装も美しく華やかでした。
歌舞伎ならではのお目見得的な「だんまり」も初めて。
こういう場面、すごく好きです。
そして、このお話、実は「裏忠臣蔵」なんですねー。
民谷伊右衛門は、元は塩冶家に仕えていた武士。
と言っても、藩の金子を横領したりして
主君の仇討をする気はまったくない悪党です。
伊右衛門の妻のお岩の父・四谷左門も塩冶武士だったのですが、
主君の塩冶判官が殿中で高師直に斬り付けたことにより
塩冶家は断絶。浪人となっています。
そして、伊右衛門に恋するお梅の父親・伊藤喜兵衛は、
敵でもある高師直の家臣です。
伊右衛門は、主君を裏切り、舅を殺し、
妻をも裏切るという、究極の自己中男です。
もちろん、お梅と祝言をあげ、
喜兵衛の口添えで出世の道を…のはずが
最終的には、お岩の恨みにより、
何もかもなくしてしまうのですが。
でも、お岩の亡霊に悩まされ、病鉢巻のうらぶれた姿は
少し可哀想な感じも。
その辺が、色悪…という所以なのでしょうか。
この作品、江戸時代の興行では、
『仮名手本忠臣蔵』と合わせて、
二日がかりで上演していたそうです。
赤穂浪士の表と裏、興味深いです。
↓今回のお席。
何と、初!桟敷席!!でございます。贅沢~!!

2席ずつ扉が分かれ、入口が玄関のようになっており
靴を脱いで桟敷に上がります。
お茶のサービスも。湯呑が定式幕の柄だわー♪
普通の客席より少し高くなっているので
舞台も花道も、とても観やすかったです。

客席はこんな感じ。
提灯が、歌舞伎座らしいですね。

いつもは母と行くのですが、今回は夫のタダヲと。
桟敷席はテーブルもあり、お食事もゆっくりできるので
人ごみが嫌いなタダヲも、終始ご機嫌でした(笑)。
あ、ちなみに、桟敷席は「桟敷弁当」というのがあって、
予約すると、幕間に席まで届けてくれるんですよ。
めっちゃセレブな気分に浸れます(笑)。
一度くらいは、こんな贅沢もいいものですね。
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