我が征くは、宙の大海(観劇ルポ1)
『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』も、いよいよ明日千秋楽ですね。
今まで、ツッコミという名の雑感ばかり書いていましたので、
ここらで(え、今頃?)ちゃんと観劇ルポなどを
書いてみようかなーなんて思いまして。
ちゃんと書けるかどうか、甚だ不安ですが、
とりあえず……、ファイエル!!(違うから)
開演前、客席の照明が落とされると、劇場内はまさに銀河の中。
スクリーンには、『銀河英雄伝説』の文字。
期待で胸が高鳴ります。どきどき!
よーく観ると、ちゃんと星が瞬いているんですよね。
さすがタカラヅカ! 仕事が細かい!!
かなめちゃんの開演アナウンスと共に音楽が鳴り、
オーベルシュタインの悠未ひろ様が銀橋に登場。
人類が宇宙に進出し、銀河連邦が作られたこと。
ルドルフ・ゴールデンバウムの登場と、銀河帝国の成立。
専制政治の圧制を逃れ、
自由を求めて脱出した人々が自由惑星同盟を建国したこと。
そして、帝国と自由惑星同盟が150年間戦争状態にあることなどを説明。
なかなかいい感じの幕開きです。
特に、「劣悪遺伝子排除法」を作ったルドルフを
心底憎むオーベルシュタインに、
弱者を排除する帝国の解説をさせるところなど、
小池センセイ冴えてます。
で、オベ様によって相対する二つの国の英雄、
ラインハルトとヤン・ウェンリーの紹介がなされ
二人の影がびゅぃーーんと小さくひとつに重なったその先に…
おお、生身のラインハルト様がっ!
モールがふんだんに使われた豪華な軍服に、
ドレープたっぷりなマント。
アイスブルーの瞳に、美しい金髪。
スタイルいい!!
顔小さっ!!
足長っ!!
マジ人間離れした美貌!!
これこそ、まさしくラインハルト・フォン・ローエングラム!!
ジーク・カイザー・ラインハルトっっ!!!
…ええと、多くの原作ファンの心の内(であろうもの)を表現してみました(笑)。
装置・照明・お衣装、どれをとっても豪華絢爛、
そして舞台上のタカラジェンヌは浮世離れして美しい。
やっぱりタカラヅカはすごいなあと、
私も原作ファンの目で感動。
余談ですが、グリーンのレーザー光線、
軍服にマント姿、そしてロン毛で、ふと思い出しました。
『真夜中のゴースト』(1997雪)のオープニングを……(遠い目<笑)。
さて、ラインハルト様が、人類の歴史、
そして自分が皇帝を倒すために軍人になったことを歌で綴ります。
「銀河の覇者となる、その日まで~~♪」
今まで、数々のヒーローが活躍した宝塚の舞台ですが、
史上最高最強のスケールです。
国境なんぞ軽々と越え、なんと「銀河」ですから!
そう、ラインハルト様の目的は、
ゴールデンバウム王朝を倒し、
自由惑星同盟との戦いに勝ち、
親友キルヒアイスと共に「宇宙を手に入れる」こと。
=全銀河系の統一なのでございます。
オープニングの歌でも
「友よ、キルヒアイス、私とともにあるのだ」みたいな感じで
キルヒが「とこしえに」と答えています。
ちなみに、この時点ですでに
「ロイエンタール!」→「忠誠を!」
「ミッターマイヤー!」→「誓おう!」
と、後に「帝国の双璧」と呼ばれた二人も登場。
ただ、歌詞の中に「仲間と共に」という言葉があったと思うのですが
ヤン・ウェンリー艦隊ならいざ知らず、
ラインハルトは、自分の部下たちを「仲間」と思ったことは
おそらく一度もなかったはず。
彼にとって対等な相手(=友人)は、唯一キルヒアイスだけでした。
「ジークフリード・キルヒアイスは、特別だ。特別だった」とは、
原作中で、キルヒアイスの死後に言ったミッターマイヤーの言葉です。
そう、ラインハルトは友だちがいないんですよー。
できないというより、作らないという方が合ってるのかも。
キルヒアイス以外の他人には、決して心を許さない人なんです。
帝国軍の軍服も、黒を基調にしていて、シックで素敵です。
キルヒアイスは暗めなブルー、ロイエンタールはマットな黒、
ミッターマイヤーは艶のある黒…と、
少しずつ色を変えているところもいい。
さすが、タカラヅカのお衣装部さん、仕事が細かい!
というわけで、場面はアスターテ会戦へ。
ここで、戦場の魔術師ことヤン・ウェンリー登場。
なんと元雪組の緒月遠麻くんですよ!
組替え早々こんな大役を射止めて、
お母さんはうれしい…(いつ母に?)。
ヤンは、たぶん原作ファンの中で、
1番か2番目くらいに人気のある人物だと思います。
見た目は風采の上がらない、冴えない学者風なんだけど、
ミラクル・ヤンと呼ばれるほどの戦術家。
でもって、頭がいいだけじゃなくて、とってもいい人なの。
友だちもいっぱいだしね。
実は、早いとこ退役して、年金生活をしながら
歴史の研究をしたいと願っている人なんですね。
ラインハルトとは、真逆のタイプですねー。
さて、帝国側が、ハプスブルク風味なコスプレなのに対して、
同盟側は、ベトナム戦争当時のアメリカ風なので、
どうしても地味な感じは否めません。
でも、そこはタカラヅカ、それなりにカッコいい軍服に
仕立て上げていましたよ。
そして、アスターテ会戦。
同盟軍艦隊20000隻に対し、帝国軍は6000隻。
圧倒的多数の戦艦で包囲しながらも、
ラインハルトの各個撃破戦術により同盟軍はボロ負けし、
反対に窮地に陥ってしまいます。
「ヤン、俺たち負けてるぜ」と言ったのは、
ヤンの親友ラップ少佐。
アンスバッハと2役の、凪七瑠海くん。
残念ながら、あっという間に戦死。
ところが、さすがはミラクル・ヤン。
「私の言うとおりにすれば、負けはしない」
と強気の発言をし、その言葉通り
帝国軍の完全勝利を阻みます。
ヤンの指揮に興味を持ったラインハルトは
「貴官の勇戦に敬意を表す。再戦の日まで壮健なれ」
という電文を送ります。
ラインハルトは、卑怯者や実力のない者には容赦がないですが、
たとえ敵であっても、
実力のある者を正当に認めるという美点がありました。
原作では、アスターテ以前にもヤンと戦っているのですが、
宝塚版では、これが初めての邂逅となります。
戦いは、主にダンスで表現されているのですが、
スクリーンでのCGも効果的に使われています。
戦艦など、ラインハルトの白い旗艦ブリュンヒルトや
キルヒアイスの旗艦バルバロッサ(アムリッツァだったかも)
なども見ることができて、うれしかったです。
ただ、スクリーンに映る文字のフォントがねー、
ちょっとゲームっぽいんです。
ゲームじゃなくて、本当の戦争の場面なんだから
もう少し普通のフォントでいいと思うのですが。
最後に「GAME OVER!」とか出てきたら、どうしようと思いましたよ。
そして、場面は変わって、今度はフェザーン自治領。
厳密に言えば、帝国の領土なのですが(自治領だしね)
政治的にも経済的にも独立を保っています。
自治領主ルビンスキーは、鳳樹いちくん。
その愛人ドミニクは、大海亜呼ちゃん。
原作&アニメ版のルビンスキーは、
ユル・ブリンナーか、刑事コジャックという感じですが
(古くてすみません)
宝塚版は、ルキーニをずっとまともにした感じ?(笑)
要するにアレです。狂言回し役。
このお二人が、帝国の皇室の系図などを使い
皇位継承者についての説明をしてくれます。
簡単に言えば、正式な後継者が決まっていないので
万が一、今皇帝が身罷ったら
お家騒動必至ということなんですが。
そして舞台は、ラインハルトの元帥杖授与式へ…。
すみません、
長くなりすぎたので続きは明日(殴)。
っていうか、この調子で書いていたら10回じゃ終わらないよー。
駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました!
今まで、ツッコミという名の雑感ばかり書いていましたので、
ここらで(え、今頃?)ちゃんと観劇ルポなどを
書いてみようかなーなんて思いまして。
ちゃんと書けるかどうか、甚だ不安ですが、
とりあえず……、ファイエル!!(違うから)
開演前、客席の照明が落とされると、劇場内はまさに銀河の中。
スクリーンには、『銀河英雄伝説』の文字。
期待で胸が高鳴ります。どきどき!
よーく観ると、ちゃんと星が瞬いているんですよね。
さすがタカラヅカ! 仕事が細かい!!
かなめちゃんの開演アナウンスと共に音楽が鳴り、
オーベルシュタインの悠未ひろ様が銀橋に登場。
人類が宇宙に進出し、銀河連邦が作られたこと。
ルドルフ・ゴールデンバウムの登場と、銀河帝国の成立。
専制政治の圧制を逃れ、
自由を求めて脱出した人々が自由惑星同盟を建国したこと。
そして、帝国と自由惑星同盟が150年間戦争状態にあることなどを説明。
なかなかいい感じの幕開きです。
特に、「劣悪遺伝子排除法」を作ったルドルフを
心底憎むオーベルシュタインに、
弱者を排除する帝国の解説をさせるところなど、
小池センセイ冴えてます。
で、オベ様によって相対する二つの国の英雄、
ラインハルトとヤン・ウェンリーの紹介がなされ
二人の影がびゅぃーーんと小さくひとつに重なったその先に…
おお、生身のラインハルト様がっ!
モールがふんだんに使われた豪華な軍服に、
ドレープたっぷりなマント。
アイスブルーの瞳に、美しい金髪。
スタイルいい!!
顔小さっ!!
足長っ!!
マジ人間離れした美貌!!
これこそ、まさしくラインハルト・フォン・ローエングラム!!
ジーク・カイザー・ラインハルトっっ!!!
…ええと、多くの原作ファンの心の内(であろうもの)を表現してみました(笑)。
装置・照明・お衣装、どれをとっても豪華絢爛、
そして舞台上のタカラジェンヌは浮世離れして美しい。
やっぱりタカラヅカはすごいなあと、
私も原作ファンの目で感動。
余談ですが、グリーンのレーザー光線、
軍服にマント姿、そしてロン毛で、ふと思い出しました。
『真夜中のゴースト』(1997雪)のオープニングを……(遠い目<笑)。
さて、ラインハルト様が、人類の歴史、
そして自分が皇帝を倒すために軍人になったことを歌で綴ります。
「銀河の覇者となる、その日まで~~♪」
今まで、数々のヒーローが活躍した宝塚の舞台ですが、
史上最高最強のスケールです。
国境なんぞ軽々と越え、なんと「銀河」ですから!
そう、ラインハルト様の目的は、
ゴールデンバウム王朝を倒し、
自由惑星同盟との戦いに勝ち、
親友キルヒアイスと共に「宇宙を手に入れる」こと。
=全銀河系の統一なのでございます。
オープニングの歌でも
「友よ、キルヒアイス、私とともにあるのだ」みたいな感じで
キルヒが「とこしえに」と答えています。
ちなみに、この時点ですでに
「ロイエンタール!」→「忠誠を!」
「ミッターマイヤー!」→「誓おう!」
と、後に「帝国の双璧」と呼ばれた二人も登場。
ただ、歌詞の中に「仲間と共に」という言葉があったと思うのですが
ヤン・ウェンリー艦隊ならいざ知らず、
ラインハルトは、自分の部下たちを「仲間」と思ったことは
おそらく一度もなかったはず。
彼にとって対等な相手(=友人)は、唯一キルヒアイスだけでした。
「ジークフリード・キルヒアイスは、特別だ。特別だった」とは、
原作中で、キルヒアイスの死後に言ったミッターマイヤーの言葉です。
そう、ラインハルトは友だちがいないんですよー。
できないというより、作らないという方が合ってるのかも。
キルヒアイス以外の他人には、決して心を許さない人なんです。
帝国軍の軍服も、黒を基調にしていて、シックで素敵です。
キルヒアイスは暗めなブルー、ロイエンタールはマットな黒、
ミッターマイヤーは艶のある黒…と、
少しずつ色を変えているところもいい。
さすが、タカラヅカのお衣装部さん、仕事が細かい!
というわけで、場面はアスターテ会戦へ。
ここで、戦場の魔術師ことヤン・ウェンリー登場。
なんと元雪組の緒月遠麻くんですよ!
組替え早々こんな大役を射止めて、
お母さんはうれしい…(いつ母に?)。
ヤンは、たぶん原作ファンの中で、
1番か2番目くらいに人気のある人物だと思います。
見た目は風采の上がらない、冴えない学者風なんだけど、
ミラクル・ヤンと呼ばれるほどの戦術家。
でもって、頭がいいだけじゃなくて、とってもいい人なの。
友だちもいっぱいだしね。
実は、早いとこ退役して、年金生活をしながら
歴史の研究をしたいと願っている人なんですね。
ラインハルトとは、真逆のタイプですねー。
さて、帝国側が、ハプスブルク風味なコスプレなのに対して、
同盟側は、ベトナム戦争当時のアメリカ風なので、
どうしても地味な感じは否めません。
でも、そこはタカラヅカ、それなりにカッコいい軍服に
仕立て上げていましたよ。
そして、アスターテ会戦。
同盟軍艦隊20000隻に対し、帝国軍は6000隻。
圧倒的多数の戦艦で包囲しながらも、
ラインハルトの各個撃破戦術により同盟軍はボロ負けし、
反対に窮地に陥ってしまいます。
「ヤン、俺たち負けてるぜ」と言ったのは、
ヤンの親友ラップ少佐。
アンスバッハと2役の、凪七瑠海くん。
残念ながら、あっという間に戦死。
ところが、さすがはミラクル・ヤン。
「私の言うとおりにすれば、負けはしない」
と強気の発言をし、その言葉通り
帝国軍の完全勝利を阻みます。
ヤンの指揮に興味を持ったラインハルトは
「貴官の勇戦に敬意を表す。再戦の日まで壮健なれ」
という電文を送ります。
ラインハルトは、卑怯者や実力のない者には容赦がないですが、
たとえ敵であっても、
実力のある者を正当に認めるという美点がありました。
原作では、アスターテ以前にもヤンと戦っているのですが、
宝塚版では、これが初めての邂逅となります。
戦いは、主にダンスで表現されているのですが、
スクリーンでのCGも効果的に使われています。
戦艦など、ラインハルトの白い旗艦ブリュンヒルトや
キルヒアイスの旗艦バルバロッサ(アムリッツァだったかも)
なども見ることができて、うれしかったです。
ただ、スクリーンに映る文字のフォントがねー、
ちょっとゲームっぽいんです。
ゲームじゃなくて、本当の戦争の場面なんだから
もう少し普通のフォントでいいと思うのですが。
最後に「GAME OVER!」とか出てきたら、どうしようと思いましたよ。
そして、場面は変わって、今度はフェザーン自治領。
厳密に言えば、帝国の領土なのですが(自治領だしね)
政治的にも経済的にも独立を保っています。
自治領主ルビンスキーは、鳳樹いちくん。
その愛人ドミニクは、大海亜呼ちゃん。
原作&アニメ版のルビンスキーは、
ユル・ブリンナーか、刑事コジャックという感じですが
(古くてすみません)
宝塚版は、ルキーニをずっとまともにした感じ?(笑)
要するにアレです。狂言回し役。
このお二人が、帝国の皇室の系図などを使い
皇位継承者についての説明をしてくれます。
簡単に言えば、正式な後継者が決まっていないので
万が一、今皇帝が身罷ったら
お家騒動必至ということなんですが。
そして舞台は、ラインハルトの元帥杖授与式へ…。
すみません、
長くなりすぎたので続きは明日(殴)。
っていうか、この調子で書いていたら10回じゃ終わらないよー。
駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました!
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